2010 Fiscal Year Annual Research Report
カイコ Piwi サブファミリーのヘテロクロマチン形成誘導とゲノム安定化機構
Project/Area Number |
09J01682
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田附 常幸 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | カイコ / Piwi / HP1 / ヘテロクロマチン |
Research Abstract |
RNAサイレンシング関連因子であるPiwiサブファミリーは生殖細胞内でsmall RNAによって標的を認識し、エピジェネティックなサイレンシングを行っていると考えられている。高等真核生物ではショウジョウバエやマウスにおいてPiwiサブファミリーとエピジェネティクスの直接的もしくは間接的な関係が報告されている。カイコは2つのPiwiサブファミリー遺伝子Ago3とSiwiを持ち、典型的なHP1ホモログとしてHP1αとHP1βを持つ。今回、BiFC法を用いた解析により、BmN4において2種のカイコPiwiタンパク質とHP1αおよびHP1βが主に核内で相互作用もしくは極めて近接した状態にあることを示唆する結果を得た。また、BmN4において免疫染色ではVasaと異なる顆粒でのシグナルが強く観察されたAgo3およびSiwiがBiFC法によって核周辺のVasaの存在する顆粒内で相互作用していることが観察された。さらに、UASの下流にホタルルシフェラーゼ(Luc)を配置したレポーター(UAS-Luc)とGal4 DNA binding domain(Gal4-DBD)融合Ago3もしくはSiwiを発現するベクターを共にBmN4に導入したところ、Gal4-DBDとUAS-Lucを導入したコントロール区の細胞と比べてLuc活性の低下が観察された。さらに、RNAiによってHP1βをノックダウンしたところ、Gal4-DBD-Ago3およびGal4-DBD-Siwi導入区のLuc活性の回復が見られた。以上から、カイコPiwiサブファミリータンパク質はBmN4においてHP1と相互作用し転写抑制に関わっていると推測される。
|
Research Products
(2 results)