2009 Fiscal Year Annual Research Report
複数観衆問題のメカニズムの解明 ―複数の他者に対する自己呈示的ジレンマの解決法―
Project/Area Number |
09J01687
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笠置 遊 Osaka University, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 自己提示 / 複数観衆問題 / 補償的自己高揚呈示 |
Research Abstract |
本研究の目的は、複数観衆問題の解決法を明らかにすることである。従来の研究では、自己呈示者のみの視点が検討されてきたが、観衆の視点も導入することで、より包括的な複数観衆問題のメカニズムおよび対処法を解明する。笠置・大坊(印刷中)によると、人々は、複数観衆状況に直面すると補償的自己高揚呈示を行う。本研究では、この補償的自己高揚呈示が、複数観衆問題の解決につながっているかどうかを検証する。 今年度、福井大学にて女子大学生76名を対象にしたコミュニケーション実験を行った。参加者は1名ずつ実験室に来て、同意書に記入した。参加者は、ビデオカメラの前に座り、3回に渡り、スピーチを行った。 また、従来の対人コミュニケーションに関する実験室研究から得られた基礎的知見を、実際の対人場面にいかす実践的応用につなげるための応用概念として社会的スキルがある。 本研究は、複数観衆問題への対処能力を学習・向上可能な社会的スキルとしての妥当性を吟味し、能力向上のためのトレーニング・プログラム開発に必要な基礎的知見を獲得することで、実践的貢献も目指す。 これらの成果を、11^<th> Society for Personality and Social Psychology、日本社会心理学会、日本グループ・ダイナミクス学会、日本心理学会において報告を行った。
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Research Products
(4 results)