2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規受容体標識法によるケモカイン受容体の機能解析と創薬展開
Project/Area Number |
09J01697
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 亮 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CXCR4 / CXCR7 / SDF-1 / 受容体内在化 / プローブ / 固相合成法 / DOTA / DTPA |
Research Abstract |
GPCRは現在の医薬品ターゲットの50%を占めており、その多様な生理現象の解明やリガンド探索が新規医薬品創製における課題となっている。これまでの研究において、研究代表者は、GPCRに属するケモカイン受容体CXCR4選択的蛍光プローブを創出した。本プローブおよびCXCR4内因性アゴニストSDF-1の蛍光誘導体の利用により、CXCR4発現細胞株の受容体局在の様子を比較することで、アンタゴニスト・アゴニスト刺激時の受容体動態の変化の観測が可能である。本年度の研究において、フルオレセインやテトラメチルローダミンといった様々な蛍光波長を有する蛍光物質で標識したリガンドを調製し、VenusやDsRedといった蛍光タンパク質をそれぞれ融合した受容体、および、疎水的・静電的相互作用により細胞膜を選択的に標識可能なタグを融合した受容体の安定発現細胞株を構築した。現在、SDF-1を認識すると報告されているケモカイン受容体CXCR7についても同様の細胞実験系を構築しており、リガンド刺激時における各受容体の動態変化の比較・評価を行う予定である。 また、腫瘍イメージングのための放射標識プローブの開発を行った。まず、煩雑な合成プロセスが必要であったペプチドへのDTPA標識を固相樹脂上で行うことにより、選択的かつ簡便にDTPA標識ペプチドを得る方法を確立した。さらに、1分子のDOTAに2分子のCXCR4拮抗剤を結合した新規プローブを創製した。今後、各プローブを大量合成し、本プローブの有用性を検証する。
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