2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規受容体標識法によるケモカイン受容体の機能解析と創薬展開
Project/Area Number |
09J01697
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 亮 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | GPCR / CXCR4 / SDF-1 / 受容体内在化 / 蛍光プローブ / 蛍光イメージング / 転移性腫瘍 / HIV |
Research Abstract |
GPCRは現在の医薬品ターゲットの50%を占めており、その多様な生理現象の解明やリガンド探索が新規医薬品創製における課題となっている。研究代表者は、これまでの研究において、ケモカイン受容体CXCR4を選択的に検出するプローブとして、CXCR4アンタゴニストT140の蛍光誘導体、およびCXCR4アゴニストSDF-1の蛍光誘導体を創製している。 本年度の研究では、得られた蛍光プローブを応用することにより、T140誘導体が受容体局在変化に与える影響と薬理作用を発現するための機序を精査した。まず、リガンド刺激による受容体内在化プロセスの可視化および定量化を目的として、コイルドコイル相互作用を用いた標識法により細胞膜表面のCXCR4を特異的に標識可能な細胞株を構築した。つづいて、本法とSDF-1蛍光誘導体を組み合わせることで、SDF-1刺激後のCXCR4の局在変化を追跡したところ、細胞内部でのCXCR4とSDF-1の共局在の様子が観察された。この実験系にT140誘導体を作用させると、その度合いは低いもののCXCR4/T140誘導体複合体の細胞内部への移行の様子が観察された。さらに、受容体とリガンドの複合体の細胞内での局在を検証したところ、アゴニストおよびアンタゴニストの双方のリガンド刺激時において、エンドソームへと局在していることが示唆された。 これらの結果は、CXCR4受容体がアゴニスト刺激だけでなくアンタゴニストの刺激によっても内在化を誘起することを示唆している。また、CXCR4アンタゴニストによる受容体内在化効果が、アンタゴニスト活性、及び、その薬理作用の発現に寄与していることを示す研究成果であり、CXCR4を標的とする創薬研究の発展に寄与する重要な知見を提供すると判断される。
|
-
-
[Journal Article] Non-invasive Longitudinal Imaging of Tumor Progression Using an 111Indium Labeled CXCR4 Peptide Antagonist2012
Author(s)
Tessa Buckle, Nynke S van den Berg, Joeri Kuil, Anton Bunschoten, Joppe Oldenburg, Alexander D Borowsky, Jelle Wesseling, Ryo Masuda, Shinya Oishi, Nobutaka Fujii, Fijs WB van Leeuwen
-
Journal Title
American Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging
Volume: (In press)
Peer Reviewed
-
-
-