2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J01726
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 昭宏 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 無衝突プラズマ / 粒子加速 / 宇宙線 / 超新星 / 超新星残骸 / ガンマ線バースト / 衝撃波 / 特殊相対論 |
Research Abstract |
相対論的な無衝突プラズマの運動を扱える数値計算コードを考案した。考案したアルゴリズムが無衝突プラズマの振る舞いを正確に再現していることを確かめるために、いくつかのテスト問題(荷電粒子のジャイロ運動,Weibel不安定性,航跡場加速)を解くことにした。その結果、全てのテスト問題において、解析的な結果又は同じ問題に対する他の数値計算の結果を再現することが分かった。上記の研究で扱ったテスト問題の一つである、航跡場加速についての詳細な解析を行った。この過程は、レーザーのような強力な電磁パルスを静止したプラズマに入射させると、プラズマ中の電子が加速するというものである。最近の粒子シミュレーションにより、この航跡場加速によって加速された電子が冪的なエネルギースペクトルを示すということが先行研究によって指摘されている。冪的なエネルギースペクトルを持った加速電子は、宇宙空間に普遍的に存在するものであるため、この結果は航跡場加速が天体現象での粒子加速に寄与している可能性があることを示唆している。そこで、私が開発したコードで同様の条件でのシミュレーションを行ったところ、確かに冪的なエネルギースペクトルを持った電子が観測された。この結果は、粒子コードで計算された結果を、異なる手法であるVlasovコードでの計算が独立に再現した例として意義が大きい。また、プラズマと天体からの放射の相互作用の一つであるbulk comptonizationという過程についての研究を行った。超新星爆発において、親星の内部で発生した衝撃波と光子の相互作用を考えることで、X線フラッシュXRF080109の冪的なX線スペクトルを再現することに成功した。
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