2010 Fiscal Year Annual Research Report
南北両極域における中間圏・下部熱圏大気重力波の動態の解明
Project/Area Number |
09J01828
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
鈴木 臣 国立極地研究所, 研究教育系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 大気重力波 / 光・電波観測 / 高緯度超高層大気 |
Research Abstract |
1.)多点/多波長大気光イメージング観測,Naライダー温度観測,MUレーダー流星観測から,同一の大気重力波が引き起こす大気光強度・温度・水平風速変動を検出することに成功し,研究成果を国内学会・国際学会報告で報告した.また成果を論文としてまとめ,米国地球科学雑誌にて発表した.2.)昨年度に構築した南極点イメージャで得られた大気光画像のデータベースを活用し,2003年から2005年における南極点大気重力波の統計的なパラメタリゼーションを行った.その結果,南極点上空における大気重力波の水平伝搬方向には指向性が見られ,中・高層の風速場あるいは下層大気の状態との関連が示唆された.また.大気重力波よりも小さな構造を持つリップルについても統計的な描像を得ることに成功した.リップルは中間圏界面高度の大気不安定として現れることが知られているが,その統計的特徴についてはあまり分かっていない.得られたリップルの情報から,大気の安定度を定性的に推定し,大気重力波がその安定度の変化にどのように関わっているかを明らかにした.これらの研究成果を国内・国外の学会で報告し,論文として米国地球科学雑誌に投稿した.3.)ドイツおよびノルウェーでの大気重力波の光学・電波同時観測キャンペーンを企画し,自動観測ソフトウェアの整備と現地でのオペレーションの準備を行った.IAP(ドイツ)が運用するライダーやレーダーと組み合わせた観測により,大気重力波やリップルといった中性大気中の波構造がオーロラの活動によってどのように応答するかを観測的に明らかにすることが目的であり,海外の研究者と連携しながら現在計画を進めている.
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Research Products
(5 results)