2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス認識とその抑制の最前線で働く未知の自然免疫システムの全貌を解く
Project/Area Number |
09J01848
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮下 萌子 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自然免疫 / ウイルス / 感染症 |
Research Abstract |
自然免疫系では細胞内でウイルスを認識する分子はRIG-I,MDA5,LGP2(RIG-I like Receptor, RLR)であり、これらの分子がIPS-1を介してI型インターフェロンの産生を行うと考えられています。さらにウイルス感染により核酸やタンパク質分解機構が動き、宿主分子によるタンパク質の翻訳等が起こり、ウイルスが増殖することが可能になります。これまで、これらのI型インターフェロン産生、ウイルス分解系、ウイルス増殖に関わる宿主の分子がどのように協調して働くかはほとんど示されていません。本研究では、これらの三つの過程の連携を結びつける分子群がまだ発見されていないのではなかと考え、ヒトの自然免疫の中でRLRと並んであるいは一緒に働き、細胞に侵入したウイルスを最も初期に認識する分子を単離しその機能を明らかにすることが、ウイルス感染に対するヒトの自然免疫機構を明らかにする上で非常に重要であると考え研究を進めました。その結果、ウイルス感染によって発現誘導される新規抗ウイルスRNAヘリケース分子DDX60を発見し、既知のI型インターフェロン認識分子との関連性や、ヒト細胞でのDDX60ノックダウンを行うことで、dsRNAの認識にDDX60が重要な役割をすることを明らかにしました。また、DDX60がRNA分解複合体エキソソームと結合することを明らかにし、このエキソソームとDDX60結合はその機能解析に重要であると考え、その結合部位の詳細な検討を行いました。
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Research Products
(2 results)