2009 Fiscal Year Annual Research Report
IL-6ファミリーサイトカインシグナル伝達系におけるSUMO化修飾機構の解析
Project/Area Number |
09J01853
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川上 志保 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | IL-6 / STAT3 / SENP1 / SUMO / PML / シグナル伝達 / 癌 |
Research Abstract |
現在までに申請者は,いくつかの癌細胞においてIL-6刺激によるSENP1発現誘導を確認するなど,病態におけるIL-6シグナル伝達制御機構の解明を翻訳後修飾という新たな側面から切り開いてきた. 本年度はその分子メカニズムの解析に重点を置き、以下の項目の研究を中心に進めた。 1)SENP1によるIL-6シグナル伝達系調節経路の解析 MAPK経路やPI3K/Akt経路の阻害剤処理を施した細胞サンプルを用いて,サンドイッチELISAシステム,ならびにRT-PCR法を用いて,IL-6刺激後のSENP1発現レベルの変化を解析し、これらの経路に関与しないことを明らかとした。 2)SENP1による抗アポトーシス活性や細胞増殖活性への影響 SENP1のノックダウンによりMcl-1やCyclin D1のmRNAが減弱することから細胞増殖や抗アポトーシス作用に対する影響が考えられた。そこで細胞増殖試験やアポトーシス活性解析を行った。その結果SENP1を欠損すると細胞増殖やアポトーシス活性が減弱することを明らかとした。 3)SENP1発現レベルと病態との関連性,および抗体作製 ガンの悪性度とSENP1の発現レベルの相関性を明らかにするために,感度のよいSENP1に対するラビットポリクローナル抗体及びマウスモノクローナル抗体を作成した。今後はこの抗体を用いた様々なガン細胞サンプルに対して,サンドイッチELISA法,ウェスタンブロッティング法,免疫染色法により解析する。
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