Research Abstract |
ロボットハンドの動作プログラムを生成する負担を減らすため,手が物体に加える力に基づいた手作業の分節化手法を提案し,その手作業分節の認識に用いる触覚情報を取得するためのデバイスを開発した. 手作業を行う人間は,物体の使用目的に適した力を加えられるように把握方法を決定している.このため,把握時に手が物体に加える力には,物体の使用目的が反映されていると考えられる.このことに着想を得て,手が物体に加える力から,人間の直感によらず作業を分節化する手法を提案した.提案した手法による作業分節をロボットハンドにマッピングすれば,ロボットハンドの指先で出すべき力が分かるため,ロボットハンドの構造に関わらず器用な作業を行う動作プログラムを生成できると考えられる.また,その動作プログラムには,実質的に物体の使用目的が反映される. 従来の手作業分節化手法は,把握時の手のかたちの外観や物体の形状から,人間が直感で作業を分節化していた.人間の直感というあいまいなものに依存しており,各分節を数値的にはっきりと定義できないため,作業分節からロボットハンドの動作プログラムを生成するのが困難なことが問題であった.提案した作業分節は,手が物体に加える力から,人間の直感によらず作業を分節化する.このような観点にたった分節化手法は,他に見あたらない. -鎌倉の把握分類とCutkoskyの把握分類を,手が物体に加える力に基づいて再分類し,手が物体に加える力から見た両把握分類の特徴を調査した. -手が物体に加える力を計測するために,鉛筆を模した形状のデバイスを開発した.このデバイスには,センサ素子としてアナログ出力の触覚センサを用いた. -手が物体に加える力に基づいた手作業の分節化手法を提案し,その手法を用いて実際に人間の作業の分節化実験を行った.
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