Research Abstract |
ロボットハンドに人間の作業を代行させるための動作プログラムを,人間が直接に記述するのは困難である.そこで,作業時の人間の手指の連続動作を計測することで認識した作業内容に基づいて,ハンドの動作プログラムを生成する手法が提案されている.作業内容が異なれば手が物体に加える力も異なるので,ハンドが器用な作業を代行するためには,手が加えている力を再現することが重要である.そこで,手が物体に加える力に基づいて手作業を分節化する手法を提案した.人間の作業を分節化する実験を行い,ハンドが器用な作業を再現するためには,力の接線方向成分を計測できるデバイスが必要だという知見を得た. 人間が行う作業について考えると,人間は手で道具を使用することで、文字を書く,釘を打つ,紙を切るといった様々な作業を行っている,ハンドで人間と同じように道具を使用できれば,ロボットの作業能力は大きく向上する.しかし,道具の使用には,操作対象,道具,ロボットハンドの三者の相対位置姿勢を常時計測する必要があるため,その実現例はほとんどない.特にハサミなど関節を持つ道具を使用するためには,道具の関節軸と作業対象との位置関係を考慮する必要があるうえ,関節の動きに伴って道具の全体形状が変化するので,その使用はより困難となる.物体の関節を動かした際に得られる画像データ上で特徴点群の追跡を行うことで,その物体の関節位置を推定する手法がある.だが,道具を使用する際には,操作対象道具,ハンドが近接し互いに隠れを頻繁に生じさせるため,特徴点追跡は容易に失敗する.一方,対象に直接接触して計測を行う触力覚センサでは,隠れの弊害から解放される.そこで,視覚センサによる特徴点追跡を触力覚センサによる接触点位置計測に置き換えて,回転関節を持つ道具の回転軸の位置と姿勢を推定する手法を提案した.
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