2009 Fiscal Year Annual Research Report
アルキンの選択的カップリング反応による直鎖状オリゴエン類の新規合成法の開発
Project/Area Number |
09J01876
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
五十嵐 絵里 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | オリゴエン / 有機電子材料 / アルキン / ジルコノセン錯体 / π共役系化合物 / 7-endo環化反応 / 中員環 / 分子内カルボリチオ化反応 |
Research Abstract |
π共役系分子の一種であるオリゴエン誘導体は、新たな有機電子材料として有望視される化合物群である。当研究室ではこのオリゴエン誘導体として、ジエン・トリエン・テトラエンの誘導体をそれぞれ高収率・高選択的に合成する方法を開発している。そこで本研究では、これらのオリゴエン類をモノマーとして利用することに注目した。今まで合成したオリゴエン類をモノマーとして多量化反応を行うことで、より長いπ共役鎖を持つオリゴエン誘導体を合成することを目標とした。 具体的には、二分子のアルキンからジルコナシクロペンタジエンを調製し、ブタジエンユニットを構築した。ここに種々の反応剤を加えることで、ブタジエンユニットの末端に官能基を導入することに成功した。本法により導入した官能基はハロゲン原子、カルボニル基、アリル基などである。これらの官能基は、反応点としてさらなる変換反応に利用することができた。官能基を導入したこれらのオリゴエン類は多量化反応のモノマーとして期待される。今後、多量化反応の検討を行い、二量体・三量体・四量体といった目的化合物へと導く予定である。 また、本反応を応用して合成したブロモヘプタトリエンに対し、有機リチウム試薬を加えたところ、興味深い反応性を見出すことができた。リチウム-ハロゲン交換によってヘプタトリエニルリチウム中間体が生成し、この中間体から分子内7-endo環化反応が進行した。結果、通常合成が困難とされる七員環化合物を簡便に得ることができた。
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Research Products
(5 results)