2009 Fiscal Year Annual Research Report
巨大ペプチド系天然物ポリセオナミドB構造類縁体の合成と機能解析
Project/Area Number |
09J01901
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
篠原 直樹 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポリセオナミドB / ペプチド / 構造活性相関 / 細胞毒性 |
Research Abstract |
【目的】海綿由来の天然物ポリセオナミドB(1)は、48アミノ酸残基から構成される最大の非リボソーム起源ペプチドであり、マウス白血病細胞(P388)に対して強力な細胞毒性を有する。本研究では、1の抗癌剤としての応用を最終目的としている。現在までに当研究室において1の全合成は達成したが、ペプチドフラグメント連結時の収率が低く、量的供給は困難であった。そこで、ペプチドフラグメント連結の収率向上と量的供給を検討した。また、合成した1の直接的な化学誘導による高機能化と生物活性の人工制御を視野に入れ、1の構造活性相関を検討した。 【結果】まず、1の合成収率の向上と量的供給を目指し、4つのペプチドフラグメントの連結条件を最適化した。その結果、脱保護を含め6工程64%の高収率で1を合成可能とした。この合成方法に従い、現在までに1を数ミリグラム合成し、量的供給を達成した。続いて、全合成した1に対して官能基選択的化学誘導を行った。1.N末端およびC末端の極性の影響を調べるため、N末端をアミノ基としたN-cap除去体、C末端カルボン酸をメチル化したメチルエステル体をそれぞれ誘導した。2.1の固有アミノ酸である44番残基のスルホキシドの影響を調べるため、スルホンへ誘導した。また、スルホキシド除去体を別途合成した。これらの誘導体の細胞毒性(p388)を比較したところ、N-cap除去体で顕著な活性の低下が見られた。この結果は、N末端側の脂溶性が1の活性制御に重要であることを示唆した。
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Research Products
(2 results)