2010 Fiscal Year Annual Research Report
複眼を翅に改変する遺伝子 winged eye によるエピジェネティック制御
Project/Area Number |
09J01937
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中島 瑠美 東北大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | エピジェネティクス / 器官改変 / Chip-on-chip / 再生医療 |
Research Abstract |
これまでに、ショウジョウバエにおいて器官改変を引き起こす遺伝子winged eye(wge)は、転写抑制状態又は転写活性化状態を維持する蛋白質PcG/trxGとの関わりが示されている。PcG/trxG response element (PRE/TRE)を用いた昨年度の研究により、wgeが各々のPRE/TREや状況に依存して異なる機能を示すことが示唆された。そこで、本研究では、wgeの標的遺伝子・遺伝子座の同定を目的とし、クロマチン免疫沈降とタイリングアレイを組み合わせたChip-on-chipによりWGE蛋白質の標的遺伝子座を網羅的に解析しようと考えた。WGE蛋白質を発現する培養細胞を作製し、その際、全長のWGE蛋白質のN末端側にFLAGとSBPをつけたものを作製した。この細胞を用いて、DNAサンプルの調整法、蛋白質とDNAのクロスリンク、超音波によるクロマチンの断片化、クロマチン免疫沈降の条件検討を行った。免疫沈降に用いる抗体については、抗FLAG抗体、SBPに結合するストレプトアビジンのビーズ、当研究室で作製した抗WGEモノクローナル抗体、抗WGEポリクローナル抗体の4種類を試した。WGE蛋白質はゲノム上のどこに結合しているのかが全く分からないため、クロマチン免疫沈降後の微量DNAの濃度を測定することにより実験がうまくいっているのかを調べた。その結果、抗WGEポリクローナル抗体を用いた場合には、発現誘導をかけたサンプルにおいてかけていないサンプルよりも多くのDNAを回収できた。またこの結果は再現性も確認できた。現在はより効率的にクロマチン免疫沈降を行うために、抗体量とクロマチンに含まれるエピトープ量の比率について検討しており、もうすぐにでも良い条件を確定できると思われる。 今後、実際にChip-on-chipを行い、WGE蛋白質の標的遺伝子座を同定したい。
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Research Products
(2 results)