2009 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーに必須なタンパク質Atg8の脂質修飾機構の解明
Project/Area Number |
09J01949
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 健次 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | オートファジー / Atg8 / Atg7 / 結晶構造 / NMR |
Research Abstract |
オートファジー結合系においてE1様酵素の役割を担うAtg7の結晶構造を得ることを目的として,酵母Atg7を大腸菌にて発現させ,精製後に結晶化スクリーニングを行なった.当初は蒸気拡散法,自由界面拡散法どちらの手法を用いても良質な結晶を得ることができなかったが,結晶化サンプルにZn2+を加えることで蒸気拡散法で結晶を得ることに成功した.得られた結晶を高エネルギー加速器研究機構において測定したところ,約13Aの分解能であった.構造解析のためには,さらに高分解能のデータを得ることが必要であるため,構造的にフレキシブルであると予想されるAtg7のC末端を削ったコンストラクトを用いて結晶化を行なった.その結果,大型放射光施設SPring-8において約4Aの分解能のデータを取得することに成功した.Atg7の構造解析は,オートファジー結合系の制御機構の解明に大きな役割を担うだけでなく,世界初のnon-canonicalなE1様酵素の構造として構造生物学的にも大きな意味を持つ. Atg7全長だけでなく,各種プロテアーゼを用いた限定分解法によって,Atg7の機能ドメインの探索を行なった.その結果,Atg3およびAtg10というE2様酵素の認識を担うドメイン(N末端ドメイン),Atg8のアデニル化およびAtg8-Atg7チオエステル結合体形成を担うドメイン(C末端ドメイン)を同定することに成功した.N末端ドメインは良好なNMRスペクトルが得られたため,E2様酵素との相互作用およびダイナミクスの解析を目指してNMR解析に着手した.
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Research Products
(1 results)