2011 Fiscal Year Annual Research Report
携帯メール言語研究―日本語と韓国語の対照を通じて―
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09J01992
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 保裕 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 携帯メール言語 / 言語行動 / 待遇法 / 計量分析 / 日韓対照 / 日中韓対照 / 普遍性と多様性 |
Research Abstract |
1 携帯メール言語の日韓対照研究 携帯メール言語の最大の特徴と言える脱規範的な特有表記に注目して,携帯メール言語という文字言語に現れる言語行動の日韓対照研究を行った.前年度40名の日本人大学生を対象に言語アンケート調査を行ったのに続き,今年度は40名の韓国人大学生を対象に同様のアンケート調査を行った.相手の年齢や親疎,場面重要度に注目して計量分析した結果,(1)垂直的・水平的人間関係に基づいた携帯メール言語特有表記の規則的利用が日韓共に現れ,待遇法の応用形が見えること,(2)日本では特有表記利用と連絡重要度が無相関である装飾的利用が見える一方で,韓国では場面重要度と負の相関を持ち,実質的に利用されることが明らかになった. 2 携帯メール言語の目中韓対照研究 これまでの研究を発展させる形で携帯メール言語の日中韓対照研究を行った.2008年に日韓で行ったものと同内容の携帯メール言語アンケート調査を,中国人大学生・大学院生41名を対象に行い,日中韓で対照研究した.その結果,(1)日中韓共に携帯メールでは「文字遊び」が行われるが,その方法は文字やその体系を反映して異なること,(2)携帯メール言語特有表記の女性中心利用,男性の,女性のコミュニケーション・スタイルへのシフトが日中韓に共通して見られる一方で日韓では心理負担度(送信者基準・精神的),中国では行為負担度(受信者基準・物理的)が重視されるという違いがあることが示唆された.ここに携帯メール言語の普遍性と多様性が見える.
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Research Products
(3 results)