2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J02001
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 生馬 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 能動的音響制御 / 適応制御 / IIRフィルタ |
Research Abstract |
前年度の成果である「フィルタマップを用いる制御手法」における,実装時の演算量とメモリ量の増大の解決を目指した.その方法として,FIRフィルタをIIRフィルタに同定する方法であることに着目した.IIRフィルタはFIRフィルタよりも少ないタップ数で所望の性能を得られる可能性が高いため,IIRフィルタを適応則によって更新する「適応IIRアルゴリズム」を用いれば,低メモリ・低演算量を両立した手法となりうる. そのためまず,南京大学で能動的音響制御への導入が検討されていた,IIRフィルタの適応更新アルゴリズムである「Steiglitz-McBrideアルゴリズム(SM法)」を,二次経路モデルのオンライン同定法である「直接法」に導入することでIIR型の適応フィルタを持った能動的音響制御手法を提案した.提案法の有効性を実験によって検討した結果として,IIRフィルタを用いることで高効率な能動的音響制御が実現可能であることが示された.一方で,確率勾配理論に基づき導出されているSM法は適応速度が十分ではないことが新たな検討課題となった. 次に,適応速度向上のために,計算量を削減した逐次最小二乗アルゴリズムである高速カルマンフィルタ(Fast Kalman filter)を直接法に導入し,新たな適応アルゴリズム「DAA-FKアルゴリズム」を提案し,実験によって有効性を検討した.その結果として提案法が,IIR型の適応フィルタによる高効率性,RLSアルゴリズムによる高収束性,直接法による実用性を併せ持ったアルゴリズムであることが示された.
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Research Products
(3 results)