2010 Fiscal Year Annual Research Report
高性能熱交換器開発のためのマイクロチャネル内相変化二相流の熱伝達特性の解明
Project/Area Number |
09J02003
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮田 一司 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 管内流沸熱伝達 / 微細管 / 冷媒 / 気液二相流 / 予測整理式 / 流動様相 / 水平流 / 圧力損失 |
Research Abstract |
重要な省エネ技術である次世代型の高性能ヒートポンプ空調機用熱交換器として,冷媒の微細流路を用いた熱交換器の開発が行われている.本研究では,内径1mm程度の微細管内を冷媒が流れる際の熱伝達と圧力損失の特性に関して,実験を中心とした調査を行っており,平成22年度に以下の成果を得た. 1.内径1mm程度の微細円管内の沸騰熱伝達率を予測する整理式を提案した.微細管内の沸騰熱伝達率は,従来提案されている整理式では,うまく予測することができなかった.そこで,フロン系冷媒,水およびCO2を含めた微細円管内沸騰熱伝達率のデータベースを作成し,これをもとに新しい整理式を作成した.本整理式は,従来の整理式と比べて高い予測精度を示した,2.伝熱の促進が期待できる矩形と三角形微細流路内の気液二相流動様相を,ガラス管と高速度カメラを用いた撮影画像から明らかにした.観察の結果,矩形と三角形の流路内では,表面張力の効果によって,流路断面の角部に液が保持され辺中央部の液膜は相対的に薄くなっていることが明らかになり,昨年度までに明らかにした矩形・三角形管の熱伝達性能の高さを裏付けることができた.3.水平に配置した微細円管内の沸騰熱伝達特性に関する実験を行い,昨年度までに得ている垂直配置における特性と比較して,その特性を明らかにした.水平流は,垂直流に比べて,ドライアウトとよばれる伝熱が急激に悪化する現象の発生領域が小さく,広い範囲で良好な伝熱性能を示した.4.昨年度までに本研究で明らかにした,微細円管内の流動様相および伝熱促進管である矩形・三角形管内の熱伝達特性について,それぞれ学会で発表を行った. 以上の成果は,次世代型熱交換器の設計に対して大きく貢献するものである.なお,上記の1~3は,平成23年度に公表予定であり,1については既に雑誌論文に投稿中である.
|
Research Products
(2 results)