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2011 Fiscal Year Annual Research Report

食植性昆虫における同所的ホストレース形成

Research Project

Project/Area Number 09J02005
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

甲山 哲生  北海道大学, 大学院・環境科学院, 特別研究員(DC1)

Keywords植食性昆虫 / 寄主範囲の拡大 / 集団遺伝 / ミトコンドリア遺伝子 / AFLP
Research Abstract

植食性昆虫は、地球上の生物で最も種多様性が高いグループの1つであり、その進化、特に種分化過程を解明することは、生物多様性の創出メカニズムの理解につながる。生活史の大部分を寄主植物に依存している植食性昆虫にとって、寄主範囲の拡大はその進化・多様化において重要なイベントであるが、その過程が野外集団で観察されることは稀である。キクビアオハムシは、日本全土に広く分布し、主な寄主植物としてサルナシを利用することが知られているが、近年、関東以西においてオオバアサガラを利用する集団が発見された。キクビアオハムシのオオバアサガラの利用能力には著しい地理変異がみられることがわかっており、オオバアサガラへの寄主範囲の拡大が今まさに生じていると考えられる。平成23年度は、キクビアオハムシの情報がほとんどなかった四国・九州より採集し、その寄主利用能力、遺伝的構成を調べた。四国および九州北部では、野外でオオバアサガラを利用する集団が確認され、飼育環境下でもオオバアサガラ上で生育できたが、オオバアサガラが分布しない九州南部の集団は、オオバアサガラをほとんど利用できなかった。ミトコンドリアCOI遺伝子を用いた集団遺伝学的解析の結果、国内のキクビアオハムシには、遺伝的分化の大きい5つのクレードが存在し、この内の3つが、オオバアサガラを全く利用できない集団と利用できる集団を含むことから、寄主範囲の拡大は比較的最近に各地で独立に生じたことが示唆され、AFLPを用いた解析の結果もこれを支持するものであった。以上より、キクビアオハムシは寄主範囲の拡大が現在進行中である極めて稀な例であると考えられる。今後、本種における寄主範囲の拡大を促す生態的要因について、また新寄主への適応に関連した遺伝的な基盤について明らかにすることにより、植食性昆虫における寄主利用の進化およびその多様化についての理解が進むと考えられる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Geograpnic variation of host use in the leaf beetle Agelasa nigriceps suggests host range expansion2012

    • Author(s)
      TI Kohyama, K Matsumoto, H Katakura
    • Journal Title

      Entomologia Experimentalis et Applicata

      Volume: 141 Pages: 165-174

    • DOI

      10.1111/j.1570-7458.2011.01211.x

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2013-06-26  

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