2010 Fiscal Year Annual Research Report
感覚統合の神経基盤と応用モデル:心理・生物・工学的アプローチによる多角的検討
Project/Area Number |
09J02075
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金山 範明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 体性感覚 / 視覚 / 脳波 |
Research Abstract |
本年度は,体性感覚と視覚の統合に関する実験に関して,強度を操作した実験を行った。実験計画のうち,二つ目の実験を行うことができたため,計画通りに実験を遂行することができた。一方で,より総合的な観点から顔認知に関する実験を行い,上記体性感覚と視覚の共応によって起こると考えられるMirror-Touch Synesthesiaの研究を行う下地を作った。このように,計画された以外の検討を行うことで,目的の現象をより総合的に検討する可能性を模索している。 一方で,工学応用を目指す観点から重要である脳波の解析技術に関して,日本心理学会においてワークショップを企画・遂行し,各専門家による議論を行う機会を得た。ここにおいて,今後の解析法の洗練に重要な示唆を得,現在方法の改変を行っている。 さらに,工学応用という観点から,乳幼児への適用の可能性を検討している。乳幼児における各感覚野の反応を測定する実験を行っており,現在進行中であるが,既に一定の結果を得ており,来年度の学会で発表をする予定である。また今後,乳幼児に対して体性感覚を用いて研究をしていくに向けて,より適切なデバイスの開発を検討した。このデバイスは既に試作の開発を完了しており,実験にて使用可能かどうかを検討している段階である。 3月には震災の影響から実験などの作業が一時停止した。特に乳幼児を対象とした実験においては,実験実施が難しくなっている可能性が高く,今後,社会の安定化とともにいち早く実験の再開を行いたい。
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Research Products
(5 results)