2009 Fiscal Year Annual Research Report
金ナノロッドの光機能を利用したドラッグデリバリーシステム
Project/Area Number |
09J02093
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堀口 諭吉 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | コロイド / ドラッグデリバリーシステム / 金ナノロッド / レーザー / シリカ / ポリエチレングリコール |
Research Abstract |
本研究では光刺激応答性のDDSの構築を目指すことを目的としている。藥剤モデルとして生理活性を有するオリゴヌクレオチドであるNF-κB decoyを用いる。NF-κBは二つタンパク質から成り、通常は複合化している制御因子I-κBが外部刺激を受けて脱離することで活性化し、炎症や接着分子の生成を引き起こす。NF-κBデコイはNF-κB結合配列の核酸と競争的に結合する働きをもっており、炎症の抑制や接着分子による治療後血管の再狭窄を抑止することができる。本年度は研究計画に基づき金ナノロッドの周囲にオリゴヌクレオチドが封入されたシリカ層を有するシリカカプセルナノ型ロッド(Cap-Rod)の作製を行った。ポリマー3種(ポリスチレン、ポリアリルアミン、ポリビニルピロリドン)を表面に交互積層させた金ナノロッドを作成し、シランカップリング剤を用いて表面にシリカ層を形成させた。表面をアミン化し、2本鎖オリゴヌクレオチド(FITCラベル化)を修飾前後、さらにシリカ層で保護した。外層にはポリエチレングリコールを化学的に修飾し、分散安定性を付与した。作製した複合体を除去後、溶液中に含まれるフリーのオリゴヌクレオチドが著しく減少したことから、オリゴヌクレオチドが封入されたCap-Rodの作製に成功したと確認された。以上が本年度の研究の実施状況である。初年度に進める研究計画に近い進行状況であり、予定通りであると言える。2年目は計画通り、Cap-Rodの細胞内への自発的な移行及び光刺激によるNF-κBデコイのタンパク生成阻害に至るまでの一連の流れの確立を目指す。細胞膜透過性のあるペプチド等を用いて、複合体を効率良く細胞内に導入するための手法を模索する。
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Research Products
(5 results)