2009 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚性幹(ES)細胞における未分化維持関連因子DPPA4の機能解析
Project/Area Number |
09J02104
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
正木 久晴 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ES細胞 / クロマチン / FRAP解析 |
Research Abstract |
ES細胞は未分化な状態のまま増殖が可能であり、生体内の細胞全てに分化できることから、再生医療への応用が期待されている。しかしながら、ES細胞の重要な性質である未分化維持機構には未だ不明な部分が多い。その一因として、ES細胞では機能未知な因子が多数発現していることが挙げられる。そこで私は、未知因子であるDPPA4の解析を行っている。これまでに私はDPPA4が転写活性クロマチンに局在し、マウスES細胞の未分化維持に重要であることを示した。しかしながら、DPPA4の生化学、生物学的な機能は未だ不明である。本研究の目的はDPPA4のこれらの機能を明らかにし、マウスES細胞の転写活性クロマチンにおけるDPPA4の役割を解明することである。本年度の研究では、DPPA4の転写活性クロマチンにおける機能解明を目指した研究を行った。まず、マウスES細胞におけるDPPA4の可動性を調べるため、DPPA4とEGFPとの融合タンパクを発現させ、FRAP解析を行った。その結果、DPPA4はリンカーヒストンであるH1と非常に近い可動性を示した。次にin vitroにおいてDPPA4のリコンビナントタンパクを精製し、生化学的な解析(ゲルシフトアッセイやin vitroにおける免疫沈降)を行った結果、DPPA4はDNAとコアヒストンH3と直接結合することが示唆された。次に、DPPA4がH1と同様にクロマチン構造の調節に関与しているかどうか調べるため、in vitroで再構成したクロマチンにDPPA4タンパクを添加し、MNaseに対する感受性を調べた。その結果、DPPA4を添加したクロマチンではMNaseに対する抵抗性が増強されており、DPPA4がクロマチン構造を変化させることが示唆された。以上の結果から、DPPA4はH1と同様にマウスES細胞においてクロマチン構造の調節に関与している可能性が示された。
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Research Products
(3 results)