2010 Fiscal Year Annual Research Report
T-ALLをモデルとした白血病幹細胞特異的な代謝制御機構の解明
Project/Area Number |
09J02144
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
入内島 裕乃 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | Fbxw7 / 造血幹細胞 / 造血幹細胞維持 / 低酸素 |
Research Abstract |
これまでにFbxw7αを正常造血幹細胞に過剰発現させることで、ターゲット蛋白の分解を促進させ、更に細胞周期を低下させることで静止期幹細胞を制御し、培養条件下で幹細胞活性を維持できる可能性を示してきた。以上の結果を踏まえて、本年度は更に造血幹細胞におけるFbxw7αの機能を明らかにするために、他のアイソフォームであるFbxw7β、Fbxw7γを造血幹細胞に過剰発現させ、Ki67を用いて細胞周期を検討した。 しかし、Fbxw7β、Fbxw7γを過剰発現させても細胞周期は低下しないことがわかり、Fbxw7αが特異的に造血幹細胞を静止期に維持していることが明らかとなった。また造血幹細胞の静止期に重要とされる、低酸素環境における造血幹細胞維持とFbxw7に関連性があるのではないかと仮説をたてた。その検討のために、造血幹細胞を低酸素下で一晩培養し、Fbxw7の蛋白発現を免疫組織化学染色で評価したところ、低酸素環境によってFbxw7が細胞内、とりわけ核内に蓄積していることが明らかになり、Fbxw7αが低酸素環境で誘導されていることが示唆された。また、低酸素環境ではc-MycがFbxw7依存性に蛋白レベルでも抑制されていることが、Fbxw7コンディショナルノックアウトマウスを用いた実験から見出すことができた。つまり、低酸素環境が造血幹細胞にFbxw7αを誘導し、低酸素依存性のc-Myc抑制に寄与していることも明らかとなった。
|
Research Products
(4 results)