2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J02218
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大塚 北斗 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 経時寿命 / 分裂酵母 / Ecl1ファミリー遺伝子 / Hsf1 / ecl1^+ / ecl2^+ / ecl3^+ / hsr1^+ |
Research Abstract |
本年度の研究成果は主に以下の2点が挙げられる。 (1)ショック転写因子Hsf1とEcl1ファミリー遺伝子の解析 熱ショック転写因子Hsf1が分裂酵母の経時寿命に関与することを明らかにした。つまり、分裂酵母において、Hsf1を高発現することにより経時寿命が延長する。また、この寿命延長には、Ecl1ファミリー遺伝子が必要であることを示した。そして、Hsf1が熱ショックに応答して、ecl2^+の上流DNA配列に結合することも明らかにした。以上の発見を「Ohtsuka et al., 2010」で報告した。 (2)Ecl1フミリー遺伝子のマイクロアレイを用いた解析 Ecl1ファミリー遺伝子の高発現株を用い、マイクロアレイ解析を行った。その結果、ecl1^+、ecl2^+、ecl3^+らEcl1ファミリー遺伝子は高発現により、経時寿命延長、酸化ストレス耐性の他に、胞子形成率および接合率の促進にも関与していることがわかった。そして、その酸化ストレス耐性だが、これはカタラーゼをコードする遺伝子ctt1^+に依存することがわかった。また、Ecl1ファミリー遺伝子の高発現株で発現上昇していたいくつかの遺伝子を解析したところ、ste11^+、spk1^+、lsd90^+、rsv2^+、hsp9^+、hsr1^+の6つの遺伝子が新たに分裂酵母の経時寿命に関与していることが判明した。そして、その中でも、hsr1^+は高発現により大きく分裂酵母の経時寿命を延長した。加えて、Ecl1ファミリー遺伝子の高発現による経時寿命延長はこのhsr1^+遺伝子に一部依存することがわかった。また、Ecl1ファミリー遺伝子の高発現によっておこるhsr1^+遺伝子の発現上昇は転写因子Prr1に依存することも判明した。さらに、Ecl1ファミリー遺伝子による経時寿命延長はこのPrr1に大きく依存することがわかった。
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