2010 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞由来タンパク質導入によるiPS細胞作製に関する研究
Project/Area Number |
09J02235
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
築山 智之 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | iPS細胞 / リプログラミング / 多能性幹細胞 |
Research Abstract |
家畜などの大型哺乳動物を用いた疾患モデルは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を再生医療に応用する際、安全性確認ののための前臨床試験に有用である。しかし、これらの動物種では、多能性を安定的に維持し、個体形成能を有する、マウスES細胞のような"真の"多能性幹細胞株の樹立は依然として困難である。本研究では、家畜を含む多様な哺乳動物で、"真の"多能性幹細胞を樹立するために、iPS細胞の樹立システムを利用してそれに必要な条件について検証した。レトロウイルスベクターを用いて、各種の哺乳動物の体細胞に多能性関連因子を導入し、ヒトiPS細胞に類似するiPS細胞株をブタ、イヌ、ウサギで樹立した。次に、エピジェネティック制御因子、分化抑制因子などをリプログラミングの過程で処理することにより、マウスES細胞様の形態を示すブタiPS細胞の作製に成功した。最後に、レトロウイルスベクターを用いた手法における問題点を解決し、外来転写因子の発現を人為的に制御、多能性細胞を効率的に選抜することを目的として、ドキシサイクリン誘導システムで発現制御を受ける多能性関連因子およびEOSレポーターシステムをpiggyBacトランスポゾンベクターに搭載した培養条件評価系を開発し、外来遺伝子の発現を人為的に抑制することにより、リプログラミングを制御する、簡便で、効率的なiPS細胞樹立系を開発した。この実験系を用いることで、今後、様々な動物種において"真の"多能性幹細胞を樹立するための新規の培養条件をスクリーニングできることが期待される。
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Research Products
(3 results)