2009 Fiscal Year Annual Research Report
基板上のグラフェンにおけるキャリヤ・欠陥制御と電気・磁気伝導特性の第一原理計算
Project/Area Number |
09J02252
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
澤田 啓介 Kanazawa University, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 第一原理計算 / 磁性 / グラフェン / キャリヤドーピング / スピントロニクス |
Research Abstract |
研究の目的第一原理計算によって、グラフェンのジグザグ端に電場を印加することでハーフメタルになることが予言されているようにグラフェンは、スピントロニクスデバイス材料として非常に期待できる物質である。我々はこれまで、ジグザググラフェンナノリボン(ZGNR)に対してキャリヤドーピングを行うと磁気的な相を制御できることを第一原理計算の結果に基づいて予言し、グラフェン系物質がスピントロニクスデバイス材料として高いポテンシャルを持っていること示した。本研究では、グラフェン系物質のデバイス応用の重要性を考え、基板の効果、キャリヤ注入、欠陥に関する電気・磁気伝導を詳しく調べる。研究実施計画グラフェン系物質をAl,Ni,Ir,SiC,SiO_2等の基板に置いた系について、密度汎関数法に基づく第一原理計算を行い、磁気構造の安定性について議論する。基板-グラフェン間の距離を変えたときの磁性の変化を調べる。磁性デバイス材料として利用する際の最適な基板を見つける。研究成果磁性金属基板と非磁性絶縁体基板上のZGNRにおける磁性を調べた。磁性金属Ni基板上ZGNRにおいては、一層目ZGNRは磁性を持たず緩衝層となり、二層目ZGNRではNi基板からの自発的な電子ドーピングにより強磁性状態となることが分かった。また、非磁性絶縁体SiC基板上ZGNRにおいては、二層目ZGNRへの電子ドーピングは見られた。強磁性状態は得られなかったが磁性は保たれることが分かった。二種類の基板上ZGNRの磁性について調べたが、一層目ZGNRでは磁性が消えてしまい、二層目ZGNRでは磁性が残ることが分かった。よって、磁性デバイスとしてZGNRを利用する場合、基板上に二層以上ZGNRを配置する必要がある。
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Research Products
(9 results)