2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J02302
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
井上 睦 Hitotsubashi University, 大学院・法学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 社会保障 / 韓国政治 / 比較政治 / 福祉レジーム論 / 市民運動 |
Research Abstract |
平成21年度の主な研究内容は、平成22年度以降本格化する理論研究のための事例分析を深めることであった。そのため、当初の計画通り、事例として扱う韓国現地での資料収集、聞き取り調査を行った。ソウルにおいて、現地NGO、資料館の訪問、講演会への出席に加え、研究者、国会議員等へのインタビューにより、本研究で取り上げる事例について、これまでにない詳細な情報を入手した。さらに、それと並行して、現地での調査をより充実させるために、申請時の計画に沿って延世大学校韓国語学堂の夏季語学スクールに参加し、語学学習を進めた。また、現地での資料収集を基盤に、理論研究を進め、政策決定過程についての研究を遂行してきた。韓国の社会保障の制度的特徴が、政策決定過程からいかに導出されるかを考察することで、福祉レジーム論に繋がる今後の研究への道筋を立てることができた。 韓国社会保障研究会、光州事件研究会に参加し、韓国社会保障研究会では自身の研究成果の発表を行った(2009年6月)。光州事件研究会では、1980年の光州民主化抗争をめぐる日韓関係をテーマに研究を進め、2009年10月に研究の成果を国際シンポジウムで発表した。光州民主化抗争被害者遺族への保障に関しては、2000年代に入ってから議論が重ねられており、今後の韓国の社会保障の拡充を分析する上で重要となってくる分野と考えられる。以上から、平成21年度は、当初の研究計画に沿った事例分析、理論研究を進めただけでなく、理論研究に関わる、社会保障における新たな分野についてもより深い考察が可能となったと考えられる。
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Research Products
(1 results)