2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J02309
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
阿部 俊大 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | アラゴン連合王国 / 統治構造 / 政治思想 / 植民 / 異文化接触 / カタルーニャ |
Research Abstract |
日本学術振興会の優秀若手研究者海外派遣事業により、昨2010年度は1年間に渡りスペインのバルセロナ大学において研究課題「中世盛期アラゴン連合王国における統治構造の変容」に関する在外研究を行った。この間、研究課題についてスペイン内外の図書館や文書館で史資料を広く渉猟し、またヨーロッパ現地の研究者と意見を交換しつつ、多くの先行研究や史料を参考にして研究活動を進めることが出来た。この1年間の研究活動の成果はバルセロナ大学において高い評価を受けることが出来、2011年4月現在では、研究成果をまとめて博士論文としてバルセロナ大学に提出するよう、同大学の教授たちから勧めを受けている。また成果の一部は、バルセロナ大学が発行している中世史学専門の学術雑誌であるActa Historica Arcaeologica et Mediaevalia誌の2011年号に雑誌論文として掲載される見込みである。 また日本国内においても、昨年は多方面で多年に渡る研究の成果が確認された。2010年9月には、東京大学大学院人文社会系研究より博士号を授与されている。同大学に提出した博士論文の内容の一部は、雑誌論文として『地中海学研究』『歴史学研究』といった学術雑誌に掲載され、また歴史学研究会ヨーロッパ中世史・近世史合同部会や史学会大会といった複数の学会で発表されている。これらの研究は従来我が国で研究されてこなかったテーマや地域を扱ったものであり、我が国のヨーロッパ史研究において新たな分野を切り開くものとなると考えられる。
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