2010 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子Lhx1とLhx3に注目した脊椎動物原腸胚オーガナイザーの進化発生生物学
Project/Area Number |
09J02408
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安岡 有理 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | アフリカツメガエル / ネッタイツメガエル / ナメクジウオ / イソギンチャク / Lhx1 / Otx2 / ChIP-seq / RNA-seq |
Research Abstract |
1)エンハンサー比較解析(i)ナメクジウオ(Branchiostoma belcheri)のlhx1第1イントロンに脊椎動物同様アクチビン応答配列が存在することを示し、その保存性を明らかにした。(ii)ナメクジウオとアフリカツメガエル(Xenopus laevis)のchordin第2イントロンにLhx1およびOtx2に応答する配列が存在することを示し、その保存性を明らかにした。 2)ネッタイツメガエル(X.tropicalis)を用いたLhx1およびOtx2の機能阻害実験アンチセンスモルフォリノの顕微注入によってLhx1とOtx2およびOtx2のパラログOtx5の機能阻害を行ったところ、原腸胚期に頭部オーガナイザー遺伝子の発現が低下し、協調的に頭部形成が阻害されることを示した。 3)Lhx1およびOtx2のChIP-seq解析およびRNA-seq解析(i)ネッタイツメガエル原腸胚と抗Lhx1抗体、抗Otx2抗体を用いてChIP-seq解析を行い、ゲノム上に制御領域をマッピングした。その結果、Otx2が位置情報の実体として頭部オーガナイザー遺伝子の活性化と後方腹側遺伝子の抑制の両方を担うことが示唆された。(ii)頭部オーガナイザーを切り出してそこで発現する遺伝子をRNA-seqによって同定し、それらの遺伝子の発現が機能阻害胚で減少していることをRNA-seq解析で明らかにした。(iii)レポーター解析により、各遺伝子の制御モジュールがOtx2という位置情報を解釈し、遺伝子発現のオンオフを決めていることを示した。
|