2010 Fiscal Year Annual Research Report
発達期ストレスにより誘発される神経精神障害の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
09J02411
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
衣斐 大祐 名城大学, 薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 統合失調症 / IFITM3 / 神経細胞-グリア細胞相互作用 / 神経発達 / PolyI : C |
Research Abstract |
本年度は統合失調症発症リスクに関わる環境要因の一つである周産期のウィルス感染が神経発達障害を誘発する分子メカニズムの解明を行った。二本鎖RNAアナログであるpolyI : Cをマウスに処置するとtoll-like receptor3を介してウィルス感染様免疫応答を示す。PolyI : Cを新生仔マウスに処置すると大脳皮質および海馬においてアストログリア細胞特異的にインターフェロン誘導性膜貫通タンパク(IFITM3)の発現増加が認められた。さらに培養アストログリア細胞にpolyI : Cを処置すると炎症性サイトカインおよびIFITM3の発現誘導が認められた。PolyI : C処置アストログリア細胞の条件培地を初代培養海馬神経細胞に処置したところ初代神経細胞の突起伸展およびスパイン形成の低下が認められた。また、IFITM3ノックアウトマウス由来アストログリア細胞を用いた場合、それら神経発達障害は認められなかった。新生仔期polyI : C処置マウスは成長後、認知記憶障害を示すがIFITM3ノックアウトマウスではそれら行動異常は認められなかった。 以上の結果より、polyI : C処置により神経細胞-アストログリア細胞の細胞間相互作用異常が引き起こされ、それによって神経発達が障害され、マウスの認知記憶障害が誘発されると考えられる。それらpolyI : C処置による神経細胞-アストログリア細胞の相互作用異常においてIFITM3は重要な役割を担っていると考えられる。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Chronic restraint stress impairs neurogenesis and hippocampus-dependent fear memory in mice : possible involvement of a brain-specific transcription factor Npas42010
Author(s)
Yun J, Koike H, Ibi D, Toth E, Mizoguchi H, Nitta A, Yoneyama M, Ogita K, Yoneda Y, Nabeshima T, Nagai T, Yamada K.
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Journal Title
Journal of Neurochemistry
Volume: 114
Pages: 1840-1851
Peer Reviewed
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