2010 Fiscal Year Annual Research Report
シード型自由電子レーザーによる短波長コヒーレント光源の開発
Project/Area Number |
09J02418
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
谷川 貴紀 総合研究大学院大学, 物理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 加速器 / 放射光源 / 自由電子レーザー / 超短パルスレーザー / レーザーシーディング |
Research Abstract |
本研究の目的は、レーザーシーディング技術を用いた短波長コヒーレント放射光源の開発である。 2010年度は、2009年度に構築した真空紫外分光装置を用いて、(1)チタンサファイアレーザー光(波長800nm)を注入光としたCHの諸特性の測定、(2)CH諸特性の理解に必要な粒子追跡シミュレーションの実施と解析計算モデルの構築、(3)2009年度に構築した短波長シード光源の研究開発を行った。 (1)においては、コヒーレント高調波スペクトルに関する諸特性の測定を行った。諸特性の測定として、CH強度に対する電子ビーム電流量依存性やアンジュレータギャップ依存性を測定し、各々既知であるコヒーレント放射由来の現象が観測された。同様に、CH強度に対する注入光のピーク強度依存性等も測定し、その結果、注入光強度を増大させるとCH強度の飽和が実験的に初めて観測された。観測結果として、高調波次数が異なると飽和に必要な注入光強度が異なることや、また一度強度飽和した後、注入光強度をさらに増大させていくとCH強度が振動する現象が見られた。(2)においては、(1)の注入光強度依存性の結果を定性的に理解する為、1次元粒子追跡シミュレーションを実施し、解析式をもとに1次元CHG計算モデルを作成した。その結果、CH強度飽和に関する実験結果との定性的な合致が確認できた。これらの結果は学術雑誌Applied Physics Expressにて発表した。(3)においては、CHG用の短波長シード光源として、希ガスを媒体としたガス高次高調波を用いることを検討しており、現在予備実験として、大強度チタンサファイアレーザーをキセノンガスが充填されたガスセル中に集光しガス高調波を発生させ、大気中で測定可能な第3次高調波(267nm)を取りだして光学系の最適化調整を行っている。
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Research Products
(5 results)