2009 Fiscal Year Annual Research Report
針型マイクロ試料前処理デバイスを応用した呼気診断法の開発
Project/Area Number |
09J02449
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
植田 郁生 Toyohashi University of Technology, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 呼気分析 / ガスクロマトグラフィー / 糖尿病 / アセトン / 試料前濃縮 / 針型デバイス / 揮発性有機化合物 / ケトン体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、当研究者らが独自に開発した気体試料濃縮用の針型デバイスを用いて、ヒト呼気中に含まれる微量の揮発性有機化合物(VOC)を濃縮してガスクロマトグラフィー/質量分析計(GC/MS)で分離・分析を行うことによる、疾患の新規早期スクリーニング法の開発である。初年度は当初の研究実施計画に沿って、測定対象とする呼気中VOCの抽出・分析条件の最適化および目的化合物の健常者における日内、日間変動等を中心に検討を行った。また、2型糖尿病患者の呼気試料の分析も行った。 1)健常者の呼気中アセトンの測定 測定対象とする化合物は研究実施計画に沿って、ます糖尿病の指標として知られている呼気中のアセトンを選択した。アセトンの抽出、分離・分析条件を最適化した後に、健常者の呼気中アセトン濃度の変動について詳細に検討を行った。そして、絶食期間中における健常者の呼気中アセトン濃度および尿中アセトン濃度の測定に成功し、本法の糖尿病患者の呼気測定への可能性を確認することができた。 2)2型糖尿病患者の呼気中アセトンの測定 2型糖尿病で通院中の患者の呼気を採取し、呼気中に含まれるアセトン濃度の測定を行った。すでに通院中の患者は、投薬や食事などの治療を受けているために、呼気中のアセトン濃度は健常者と差異は見られなかった。一方、現在治療を受けておらず、糖尿病が疑われる患者の呼気中アセトン濃度は健常者よりも顕著に高く、本法を用いた糖尿病の健康管理や初期スクリーニングの可能性を確認した。
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