2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J02452
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
阿部 陽 Toyohashi University of Technology, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | クロマトグラフィー / 繊維 / ケブラー |
Research Abstract |
本研究では,ケブラー(PPTA)繊維の表面を化学修飾することにより,新規な分離分析媒体の開発に取り組んでいる。PPTAをジメチルスルホキシド(DMSO)と水素化ナトリウムにより処理し,繊維表面にアルキル基を導入することにより,新規な分離特性を有する分離媒体を開発した。 表面修飾反応により得られた繊維をステンレスキャピラリーに充填し,液体クロマトグラフィーよる評価を行った。移動相にはメタノール水溶液,またはヘキサンを用い,測定対象物質には主に多環芳香族炭化水素を使用した。その結果,表面反応により得られた繊維は,未修飾の繊維と比較してはるかに高い保持能力を示した。 また,繊維を分離媒体とする,新規2次元クロマトグラフィーに関する研究も行った。ポリジメチルシロキサンでコーティングしたザイロン繊維を針内に充填し,液体クロマトグラフィーとガスクロマトグラフィーの二次元分離のインターフェースとして利用した結果,灯油などの炭化水素混合物の二次元分離に成功した。具体的には,液体クロマトグラフィーのカラムから溶出する化合物を水で希釈し,針内の繊維上に捕捉し,ガスクロマトグラフのインジェクターによる加熱を利用して熱脱着し,キャピラリーカラムに導入した。 これらの結果から,繊維による新規分離分析媒体の開発の将来性が期待できる。今後は,繊維表面に,これまでにない官能基を導入し,さらに新規で特徴のある分離媒体の開発について検討する予定である。
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Research Products
(1 results)