2009 Fiscal Year Annual Research Report
燃料電池用炭素担持Ptカソード触媒のシリカ被覆による高活性化および高耐久性化
Project/Area Number |
09J02463
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松森 裕史 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 電極 / 耐久性向上 / シリカ被覆触媒 |
Research Abstract |
本年度は高活性,高耐久性を有するシリカ被覆炭素担持Pt触媒の開発を行うために,以下の2種類の検討を行った. (1)炭素担体の検討…これまで,炭素担体としてカーボンナノチューブ(CNT)を利用してきたが,PEFCの実用化にはより安価なカーボンブラック(CB)の利用が望ましい.しかしCBの形状は球形であるため,CNTを用いたときと同様の方法ではCB表面全体がシリカで被覆されてしまった.その結果,触媒は活性を示さなかった.種々検討した結果,金属Ptと3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTS)中のアミノ基との相互作用を利用し合成すればよいことがわかった.これは露出したCB表面を作ることが可能であったためと考えられる.APTS濃度と電極活性及び耐久性の関係を調べた.その結果,5mM程度のAPTS濃度でシリカ被覆したPt/CBが最も高い活性と耐久性を示した.しかし,CBの炭素劣化をシリカ被覆によって抑制できず,除々に活性が低下していくこともわかった. (2)シリカ層の最適化…シリカ被覆Pt触媒の電極活性・耐久性は,シリカ層の厚さやその細孔構造の特性に依存すると考えられる.そこでシリカ層の厚さ,及びその緻密さを変化させ,電極活性及び耐久性の関係を調べた.シリカ層の厚さはTEOSの仕込み濃度を変化させ調製した.また,シリカ層の緻密さは触媒調製時のpH,及び触媒の熱処理温度によって変化させた.その結果,5nm程度のシリカ層厚さで被覆したシリカ被覆Pt/CNTが最も高い活性と耐久性を見出した.また,触媒調製時のpHを塩基性条件化で最適化した結果,より中性に近いpHで触媒を調製するほうが高い活性を示すことがわかった.焼成温度を統一したため,pHによる緻密さの差異は見られなかった.最後に,触媒の熱処理温度は800℃程度で焼成したものが最も高い耐久性を示し,耐久性試験後でも高い活性を保持することがわかった.
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Research Products
(4 results)