2010 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ農村の持続的発展に向けた住民組織の成立と存続に関する社会経済的研究
Project/Area Number |
09J02464
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
一條 洋子 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アフリカ / 住民組織 / 農村制度 / 労働交換 / 資源管理 / タンザニア / ウガンダ / 協力・信頼関係 |
Research Abstract |
本研究は、アフリカの農村発展においてその役割を期待されている住民組織の成立と存続の条件について、経済的側面のみならず地域文化や慣習の影響を考慮した学際的研究を試みるものである。とくに注目するのはアフリカ農村民の生計に大きく影響する、農業生産のための組織と共有資源管理のための組織であり、その背景としての社会の統治構造や信頼関係にも注目している。平成22年度は、住民組織の成立と存続に影響を与える社会経済的背景についての理解を深めるために、事例地であるタンザニアの4村に関する既得の調査データを用いて、家計構造の特徴、食糧確保手段、組織活動に対する住民の意識、信用市場の状況について整理した。さらに、農業生産のための組織である労働交換組織についての研究を進め、昨年度行った日本農業経済学会大会での研究報告およびタンザニアでの追加調査結果を基に論文にまとめ、同学会の論文集(査読付)に掲載された。また、研究対象地域に住む農牧民ゴゴの人びとの協力行動の特徴を析出するために、狭義の農業だけでなく牧畜業における協力行動にも視野を広げ、モラル・エコノミー論の観点からまとめた。考察結果はアフリカ・モラル・エコノミー研究会(研究代表者福井県立大学教授)において報告した。さらに現地に赴き、近年社会科学の分野で注目されている社会関係資本に関する質問票調査を実施し、それら資本と農家の労働交換組織の利用との相関や、同組織に対する意識調査を行った。まとめた調査結果に、理論的考察を加えて論文としてまとめ、学会誌への投稿を予定している。共有資源管理のための組織に関する研究では、文献研究を進め、本研究が対象としている森林資源以外の資源管理についての研究成果に触れると同時に、他分野の研究者との勉強会に出席するなどして知見を広めた。
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