2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J02475
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三好 知一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 多様性 / 相同組換え / 減数分裂 / Spo11 / 相同染色体 |
Research Abstract |
我々真核生物の多様性は、配偶子形成過程における減数分裂を通して、父親と母親由来の染色体DNAを混ぜ合わせることで、保証されている。この混ぜ合わせは、広く保存されたDNA切断酵素Rec12/Spo11蛋白質が染色体上の特定の領域(ホットスポット)に結合することで、DNAの切断が起こり、相同組換えというメカニズムを利用して開始される。しかし、この酵素がどのような分子機構で染色体に結合し、活性化されるのかよく分かっていない。本研究は、モデル系として優れた分裂酵母を用いてRec12/Spo11複合体を生化学的に抽出し、その構成要素を質量分析によって同定し、あわせてその制御機構を明らかにし、真核生物における普遍的な多様性獲得のメカニズム解明を目指している。 昨年度は、Rec12/Spo11を中心とした相同組換え開始酵素複合体のプロテオミクス解析から着手し、種間を越えてよく保存された2種の複合体が存在することを見出した。本年度はさらに、これらのDNA切断複合体の1つが、染色体高次構造を形成する因子と分子間相互作用を示すことが分かった。これの意味するところは、減数分裂期のDNA切断部位は、局所的なDNA配列やクロマチン構造のみならず、高次の染色体構造と協調して制御されていることを示唆している。実際、この構造タンパク質を欠損した細胞では、ゲノムワイドでDNA切断因子群の局在に異常が認められた。現在、構造タンパク質とDNA切断複合体の相互作用の詳細について解析をしており、DNA切断開始メカニズムをマクロの視点から明らかにすることを目指している。
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Research Products
(1 results)