2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J02475
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三好 知一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 多様性 / 相同組換え / 減数分裂 / Spo11 / 相同染色体 |
Research Abstract |
我々真核生物の多様性は、配偶子形成過程における減数分裂を通して、父親と母親由来の染色体DNAを混ぜ合わせることで、保証されている、この混ぜ合わせは、広く保存されたDNA切断酵素Rec12/Spo11蛋白質が染色体上の特定の領域(ホットスポット)に結合することで、DNAの切断が起こり、相同組換えというメカニズムを利用して開始される。しかし、この酵素がどのような分子機構で染色体に結合し、活性化されるのかよく分かっていない。本研究は、モデル系として優れた分裂酵母を用いてRec12/Spo11複合体を生化学的に抽出し、その構成要素を質量分析によって同定し、あわせてその制御機構を明らかにし、真核生物における普遍的な多様性獲得のメカニズム解明を目指してした,これまでに大きく分けて下記3点についての知見を得た。 1.分裂酵母DNA組換え開始酵素Rec12複合体の単離(基本的な分子機構の解明) 2.DNA組換え開始複合体と染色体高次構造の分子間相互作用とその局在機構の解明(空間的制御機構の解明) 3.DNA組換え開始複合体はDNA複製チェックポイントの制御下にある(時間的制御機構の解明) 今後これらの知見を基礎として、真核生物に普遍的なDNA組換え開始機構の解明へつながると考えている、その応用的な側面として、我々を含めた高等真核生物における配偶子形成異常の原因究明、あるいは農業資源における生産性向上につながる育種開発、有用化合物含成のための遺伝的資源の開発があげられる。
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