2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子配向集積化による多糖系高分子ナノ複合界面の構造構築と機能創出
Project/Area Number |
09J02512
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横田 慎吾 Kyoto University, 化学研究所, 特別研究員(SPD)
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Keywords | ポリマーブラシ / リビングラジカル重合 / 高分子電解質 / 膨潤特性 / 有機テルル化合物 |
Research Abstract |
本研究では、構造性糖鎖分子の配列・集密化技術とリビングラジカル重合(LRP)法を応用したポリマー鎖の精密なグラフト化技術を駆使して新規高分子ナノ複合材料の構造構築・機能創出を試みる。本年度は、反応性官能基を側鎖に有する高分子電解質について、濃厚ポリマーブラシの調製およびその基礎物性(特に膨潤挙動)について詳細に検討した。 弱電解質ポリマーであるポリメタクリル酸(PMAA)について、官能基耐性に優れた光誘起型の有機テルル媒介LRPを適用し、カルボキシル基の保護-脱保護プロセスを経ずに、濃厚PMAAブラシ(乾燥膜厚:20-100nm、グラフト密度:ca.0.3-0.4chains/nm^2)の創出に成功した。調製したPMAAブラシについて、系内のpHを変化させながら水膨潤挙動を検討したところ、pH10-11を境にその膜厚が劇的に変化することを見出した。pH>10-11の環境下では、静電反発によるPMAAグラフト鎖の伸張が起こり、膜厚が増大したと考えられ、濃厚ブラシを形成するPMAAのpKaが極めて高い値を示すことが明らかとなった(PMAAフリーポリマーのpKa:ca.5-6)。さらに、PMAAブラシのイオン強度依存的膨潤挙動についても検討したところ、従来の準希薄電解質ブラシとは異なる濃厚ブラシ故のユニークな膨潤挙動を見出した。今後、PMAAブラシの反応性官能基やユニークな膨潤特性を活かし、糖鎖分子による修飾や金属ナノ粒子のブラシ内合成等を試み、機能性界面の創出へ向けて継続的に研究を行う予定である。
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Research Products
(14 results)