2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳の左右差を形成・維持するシグナルの実体とそのシナプスにおける局在
Project/Area Number |
09J02516
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川原 愛子 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 脳の左右差 / 海馬 / 神経回路 / シナプス / NMDA受容体 |
Research Abstract |
マウス海馬神経回路には、NMDA受容体ε2サブユニットの分布量が異なる2種類のシナプスが、左右の海馬錐体細胞からの入力と個々の錐体細胞の上下に対して非対称に配置されていることが当研究室において明らかにされた。また、内蔵逆位の性質を示すivマウスでは海馬神経回路が右側異性を示すことも明らかになった。これらを背景に、神経回路の非対称性を形成・維持するシグナルの実体を解明することを目指して研究を行った。 ivマウス海馬において発現が低下していた免疫関連因子を欠損したノックアウトマウスを解析した結果、このマウスの神経回路では非対称性が消失していることがわかった。そこで、このマウスを用いてシナプスの可塑的性質を調べたところ、全てのシナプスが野生型海馬の2種類のシナプスのうち一方と類似した性質を示すことが明らかになった。さらに、野生型マウスの海馬においてこの免疫関運因子の細胞内分布を調べたところ、この因子がシナプスの周辺に存在していることが明らかになった。したがって、この免疫関連因子が、マウス海馬神経回路の非対称性の形成・維持において重要な役割を担っていると考えられる。
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