Research Abstract |
カメラとGISを用いた屋外におけるユーザ位置姿勢推定を行う目的は,算出されたカメラの位置姿勢に応じて付加情報を画像上に重畳する拡張現実を実現するためである.今日では,GPSなどのセンサベースによるアプローチが実用化されたが,センサの精度が十分でないために,幾何学的整合性を保つことができない.そこで,GISと画像処理によるアプローチの研究を行っている.これは,屋外の画像処理,GIS,拡張現実の3つをつなげる研究である. 初めに,GISと拡張現実をつなげる研究として,GISデータを拡張現実によって可視化を行った.GISから交差点付きの地図を作成し,その地図上にGISデータを重畳表示する.交差点の局所的な位置関係をLLAHを用いて記述することで,地図上に印刷された交差点がGISに登録されているどの交差点かを認識し,GISデータを地図の対応する箇所に表示する.さらに,カメラの位置が変化することによって,撮影される交差点の局所的な位置関係も変化するため,それらをオンラインで学習することで,カメラの可動範囲を広範囲化した. また,この技術を文書と拡張現実をつなげる技術に応用することができた.元来LLAHは文書解析の分野で提案された手法であり,それにオンライン学習を追加することで,文書上での拡張現実を実現することができた. 屋外での拡張現実を行うためのフレームワークとして,パノラマデータベースを用いたものを検討している.今日では,都市の各地で撮影されたパノラマが公開されており,利用可能と考えた.初めに,ユーザが撮影した画像とパノラマデータベース中のパノラマを対応付けの検討を行った.屋外では,撮影時間,時期によって同じ視点でも異なったように撮影されるため,対応付けが失敗することが多い.そこで,複数の時間に撮影されたパノラマデータベースを保持するか,または対応付けのアルゴリズムを改良するかについて検討を行っている.
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