2009 Fiscal Year Annual Research Report
海底地震計を用いた地震波干渉法によるプレート沈み込み帯深部の微細三次元構造の解明
Project/Area Number |
09J02666
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
湊 翔平 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 弾性波 / 地震波干渉法 / プレート沈み込み帯 |
Research Abstract |
体研究は,弾性波動場を再現する理論である地震波干渉法理論をOBS地震観測記録へ応用するものであ区る。エネルギーの大きな地震記録を用いることで、これまで人工震源では見えなかったプレート沈み込み帯深部の地下構造をより高解像度にイメージングすることを目的とする。本年度は地震波干渉法理論の高精度化に関する研究を行った。これまでの相互相関処理による地震波干渉法に代わる手法として,多次元デコンボリューション(MDD)による地震波干渉法が提案されている.MDDによる地震波干渉法が,従来の相互相関による方法と異なる点は,1.減衰媒質で有効であること,2.震源関数の影響を含まないこと,3.不均質な震源配置を許容すること,などがあげられる.そこでMDDの特徴を検証するため,MDDおよび相互相関による地震波干渉法を坑井間ジオメトリに適用し,地表震源から坑井間波動場を再現した.MDDによる地震波干渉法は,片道相反定理から導かれる.片道相反定理から得られるコンボリューション型の関係式を,特異値分解(SVD)による擬似逆行列計算によって解くことで目的の波動場を再現する.シミュレーションおよび実データを使い、MDDが相互相関よりも高解像度で良好な振幅値で波動場を再現していることを示した。また,波動場から地下構造を推定した結果,地震波干渉法は地下構造をよくイメージングした.この成果は米国物理探査学会(SEG)で発表済みであり,現在Geophysicsへの論文投稿の準備をしている.今後OBSデータに対しても本手法の有効性を検討する予定である.また、OBSデータで記録された自然地震記録に対して地震波干渉法を適用するため,南海トラフ域に設置されたOBSデータを用いて自然地震の切り出しを行った.今後切り出された地震波を使って地震波干渉法を応用し,反射波記録を合成する予定である.
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Research Products
(3 results)