2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域の祖父母世代による子育て支援の可能性に関する研究
Project/Area Number |
09J02672
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田渕 恵 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 高齢者 / 子育て支援 / 世代性 / フィードバック |
Research Abstract |
本研究では、近年重点化されている地域子育て支援の一環である「地域高齢者による子育て支援」に着目し、支援プログラム開発のための基礎研究を行った。特に本年度の研究では、支援者である高齢者の継続性に着目し、継続的なプログラムの開発を目指した。 研究1では、「地域高齢者による子育て支援」に携わる高齢者の心理的発達としての世代性を測定する「短縮版世代性尺度」の信頼性および妥当性を検討することを目的とした。McAdams & Aubin (1992)の「Loyola Genemtivily Scale」20項目の中から世代性の5側面の代表的な5項目を選択し、中高年者802名を対象として分析を行った。その結果、信頼性係数(Cronbachのα)は.68であり、中程度の信頼性が得られた。また、年齢や地域活動変数と中程度の有意な関連性が認められ、妥当性が確認された。 研究2では、高齢者の継続的支援参加には、若年世代からのポジティブなフィードバックが必要であるとする理論から、高齢者が子育て中の親世代や子どもと関わる際に、ポジティブなフィードバックを受ける場面について具体的に明らかにすることを目的とした。高齢者76名を対象としカテゴリー分析を行った結果、「経験や知識の伝達」や「経験を活かした相談」、「伝統行事や料理の伝授」といった11の小カテゴリーが抽出された。結果から、高齢者ならではの支援内容において、ポジティブなフィードバックを受け取っていることが分かった。 今後はこれらの研究を基に、高齢者の世代性の継続的な発達と継続的な支援行動のための具体的なプログラムを検討する必要がある。
|
Research Products
(15 results)