2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J02673
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梅原 敬弘 九州大学, 大学院・医学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 凍死モデルラット / アルコール |
Research Abstract |
-異なる環境下における生前摂取アルコールと死後産生アルコールの判別法の確立- 1)凍死モデルラットの作製 偶発的低体温症(凍死)を発生する条件として、アルコール摂取が大きく関わっており、実際の凍死者においてもしばしばアルコールを摂取していることがある。そこで寒冷環境下におけるアルコール摂取の影響を調べるため、凍死モデルラット作製の検討を行った。ラットは全て腹腔内に送信機植え込み手術を施し、経時的に心電図・深部体温の測定を行った。腹腔内へのネンブタール投与後、ラットの剃毛を行い、剃毛した部分をアルコールで濡らし、寒冷暴露した群について検討したところ、アルコールの体表面暴露により経時的な体温の低下を誘導し、約40~150分の範囲で死亡が確認された。また低体温症時に観察されるという一時的な心拍数の増加も確認できたため、この条件で作製したモデルを凍死モデルとした。 2)凍死モデルラットの視床下部・前頭葉におけるmRNA発現 凍死モデルラットの視床下部・前頭葉におけるmRNA発現を確認したところ、体温調節や凍死経過中に観察されることがある異常行動の原因遺伝子と示唆されたmRNA発現が確認された。他にも凍死特異的と考えられるmRNAの発現が確認された。 3)アルコール投与実験 20%アルコールのラット腹腔内投与を検討した。20%アルコール腹腔内投与を行った場合、腹腔内へのアルコールの多量投与や20%アルコール投与のための腹膜刺激など、凍死者におけるアルコールの影響として考えられる以外のストレス要因の影響が懸念された。今後は投与するアルコール濃度の検討、また経口投与など投与経路の検討を行う予定である。
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Research Products
(1 results)