2009 Fiscal Year Annual Research Report
副作用のない新規治療と診断のための腫瘍ターゲティング金ナノロッドの創製
Project/Area Number |
09J02691
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
秋山 泰之 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究院(DC1)
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Keywords | 金ナノロッド / 体内動態 / EPR効果 / ポリエチレングリコール / フォトサーマル治療 |
Research Abstract |
棒状の金ナノ粒子である金ナノロッドは生体浸透性の高い近赤外域に吸収を持ち、またフォトサーマル効果を持つため、近赤外光に応答する機能性ナノ材料として注目されている。これら特徴から金ナノロッドを腫瘍に多く蓄積させることができれば、診断と同時にフォトサーマル治療への応用が期待できる魅力的な材料となる。また金ナノロッド自体に毒性はなく、光を照射することで初めて治療効果を発揮することから副作用のないがん治療を行える画期的な材料としても期待できる。しかし現在、当研究室を除き金ナノロッドの血中内投与による応用例はほとんどない。そのため、まず治療や診断といった生体内応用の指標として重要な基礎情報となる体内動態評価を行うことが重要である。本年度ではこの金ナノロッドの血中滞留性を向上させ、腫瘍への高い集積能を達成させるため、PEG修飾金ナノロッドを用いることでPEGの修飾密度や投与量、アスペクト比が体内動態およびEPR効果による腫瘍集積へ与える影響を明らかにした。その結果、PEG修飾密度および投与量を増加させることで腫瘍への集積能を向上させることに成功した。この結果は金ナノロッドを用いた治療や診断を行う上で有用な情報になると期待できる。また金ナノロッドのアスペクト比が与える腫瘍に対する集積能への効果は確認されなかった。しかし、このアスペクト比による体内動態への影響に関する研究は本研究が初めてであり、金ナノロッドを含めたユニークな特性を持つ異方性ナノ粒子の体内動態を行う上で重要な情報となると期待できる。金ナノロッドの血中内投与による評価例が少ない中での本研究は、今後の医療応用に対して欠かすことのできない基礎情報となるだろう。
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Research Products
(7 results)