2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属酸化物で被覆したカーボンナノチューブ担持金属触媒の開発
Project/Area Number |
09J02716
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有家 隆文 九州大学, 大学院・工学府物質プロセス工学専攻, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 担持金属触媒 / 金属粒子の脱落 / チタニア被覆 / 光触媒 / カーボンナノチューブ内空間 |
Research Abstract |
申請者はカーボンナノチューブ(CNT)担持金属ナノ粒子をシリカで均一に被覆することに世界で初めて成功している.そこで本研究では,シリカ被覆CNT担持金属ナノ粒子の耐久性を評価することに加え,高機能・高活性を有する触媒を開発することを目的に,CNTのチタニアでの被覆を検討し,その触媒を光触媒反応に応用した. 1.シリカCNT担持金属触媒の耐久性の評価…CNT担持金属ナノ粒子はCNTと金属ナノ粒子間の相互作用が弱いため,触媒反応中の金属粒子の凝集,及び脱落が問題となっている.そこで申請者は,CNT担持金属ナノ粒子をシリカで被覆し,その試料の触媒反応条件下での耐久性を評価した.その結果,シリカ未被覆触媒では触媒反応中に金属ナノ粒子が脱落し,反応を繰り返す度に触媒活性が徐々に減少したのに対し,シリカ被覆触媒は反応中に金属粒子が脱落することなく,高い触媒活性を維持できることが分かった. 2高機能性を有したチタニアCNT触媒の開発…CNTのチタニアでの被覆は一般的に困難であるが,申請者は昨年度,CNT共存下,チタニウムテトライソプロポキシドの加水分解中に尿素を添加することで,効率よくCNT表面がチタニアナノ粒子で被覆されることを見出した。そこで本年度では,チタニアで均一に被覆されたCNT光触媒の更なる高機能化を目的に,CNTチューブ内部への金属ナノ粒子の固定化を試みた.CNTの化学的処理法,金属の担持方法,金属種の還元法など種々検討した結果,CNTチューブ内部にのみ金属ナノ粒子を固定化するには,CNTの酸化処理が有効であることが分かった.さらにCNTに金属粒子を内包した試料をTiO_2ナノ粒子で被覆し,それらの光触媒作用を検討したところ,CNT内空間のサイズによる分子サイズの認織が可能であることがわかった.
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Research Products
(2 results)