2011 Fiscal Year Annual Research Report
食品由来の免疫バランス制御性機能分子の探索とその免疫関連疾患への応用
Project/Area Number |
09J02717
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 沙智 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 免疫バランス / IFN-γ / IL-12 / Toll-like receptor / Type-1免疫 |
Research Abstract |
ホエーによる免疫バランス制御のメカニズムを明らかにし、ホエーによる免疫関連疾病の予防や人々の健康維持における効果を科学的に実証することが本研究の目的である。研究実施計画において、本年度はホエーがヒト免疫細胞のTh1/Th2免疫バランスを制御するかどうかをin vitroで評価することと、ホエーを摂取した時の免疫系に及ぼす効果をin vivoで評価することであった。本年度は、ヒト免疫細胞を用いて、in vitroのTh1/Th2免疫バランスの評価系の確立を目指した。同意の得られた健常者より血液を採取し、末梢血単核球(PBMC)を分離して、食品由来抽出物をPBMCに添加して実験を行った。その結果、ある種の食品由来抽出物は、ヒト免疫細胞において、抗CD3抗体刺激下でIFN-γ産生を強く誘導することを明らかにした。また、抗ヒトIFN-γ抗体による細胞内染色により、CD4、CD8、NK細胞でIFN-γ陽性細胞が存在することが示された。食品由来抽出物によるIFN-γ産生誘導のメカニズムについて詳細に解析したところ、IFN-γ産生にはIL-12が必要であることが示された。さらに、ヒトの免疫細胞においても、マウスと同様、食品抽出物によるIFN-γ産生誘導は、TLR2やTLR4を介することが示された。さらに、同意の得られた健常者に対して、ある種の食品を摂取してもらい、摂取前後での各種免疫細胞群のPopulation解析、各種刺激に対するサイトカイン産生能、NK活性の測定を行った。その結果、ある種の食品由来抽出物はType-1免疫において重要な機能であるヒトNK活性を増加させる傾向にあった。 以上より、ヒト免疫細胞でのTh1/Th2免疫バランスの評価系を確立することができ、ヒト免疫細胞においても食品由来抽出物が免疫制御効果を持つことを証明した。
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Research Products
(2 results)