2010 Fiscal Year Annual Research Report
C4植物におけるNAD(P)Hデヒドロゲナーゼ循環的電子伝達経路の機能解析
Project/Area Number |
09J02810
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 規子 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光化学系I循環的電子伝達経路 / NDH複合体 / C_4植物 / 光合成 |
Research Abstract |
本研究はC_4植物におけるNDH循環的経路の機能を明らかにすることを目的としてNDH経路を抑制(欠損)したC_4植物の変異株を作出(探索)し、その表現型の解析をおこなうものとする。具体的には以下2通りのアプローチをおこなった。 1.形質転換が可能なC_4植物フラベリアを用いたRNAiによるNDH経路抑制株の作出と表現型の解析 2.トウモロコシのトランスポゾン挿入変異株ライブラリーでのNDH経路変異株の探索と表現型の解析 上記2つのアプローチのうち、フラベリアに関しては、目的のRNAi抑制配列を導入した形質転換体を複数ライン得ることができた。この際に本研究の最大の懸案事項であった形質転換効率を大きく改善することにも成功した。得られた形質転換体について光合成電子伝達活性やCO2吸収速度の測定をおこない表現型の解析を行うとともに種子の採取を行っている。一方、トウモロコシは、トウモロコシのトランスポゾン変異株ライブラリーを保有するオレゴン大学のBarkan教授の研究室との共同研究により、NDH経路の必須な遺伝子であるNdhNおよびNdf6のトランスポゾン挿入変異株を得ることができた。これらの株はpale greenの表現型を示したがゲノミックPCRの結果、Ndf6のラインに関しては当該遺伝子へのトランスポゾンの挿入と表現型とに相関がないことが明らかとなった。 今後はフラベリアのNDH経路抑制株の解析を優先的におこない、結果を論文にまとめて発表する予定である。
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