2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J02875
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 徹 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 室町幕府 / 荘園制 / 室町領主社会 |
Research Abstract |
本研究では、室町期に「在京領主に比重のかかった所領体制」をみいだす近年の室町期荘園制論を具体的に展開するため、そうした体制の形成過程を検討することを目的としていた。具体的には、(1)在京する勢力がどのようにして、どの程度の所領を維持、ないしは形成したか、(2)どういった勢力がどのような過程で在京化の道を選んだか、の二点を実証的に明らかにし、そのうえで、室町期の荘園制の特質を踏まえ、日本列島諸地域の状況を構造的にみる視野から、中世後期の政治・経済・社会像を示すことを目的としていた。 前年度は、(1)に対応する部分の研究を大きく進めたが、本年度は、(2)について、南北朝期における在京武士たちの推移を検討し、在京武士集団と「国人」に分層するかたちで室町期の支配体制の構図が形成されたことなどを明らかにすることができた。(「室町領主社会の形成と武家勢力」という題目で、2010年5月14日に大阪歴史学会中世史部会で、2010年6月29日に大阪歴史学会大会で報告し、そののち同会会誌『ヒストリア』223号に収載された)。中世史部会で、2010年1月29日に「奉公衆の形成」、2010年3月19日に「南北朝期の在京勢力と国人」という二度の報告をおこなった)。また、こうした支配体制のもつ地域偏差についても、検討をおこない、2010年11月3日には「室町政権下の地域区分-《室町日本の地域性》序説-」という題目で報告をおこなった。以上により、今後室町期の支配体制、荘園制を考えるための手がかりとなる重要な成果を挙げることができたと考えている。
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Research Products
(4 results)