2010 Fiscal Year Annual Research Report
イネトランスポゾンmPingおよびPingの転移制御機構の解明
Project/Area Number |
09J02906
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
門田 有希 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イネ / トランスポゾン / 転移制御 / ゲノム進化 |
Research Abstract |
イネ品種銀坊主のシークエンス解析を実施し、合計2億を超える76bpのリードが日本晴ゲノムにマップした。この結果、日本晴と銀坊主品種間において、約120,000箇所のSNPおよび約43,000箇所のindelが同定できた。構造変異の約20%は遺伝子領域に存在し、これらが両品種間における遺伝子構造の違いを生み出していると考えられた。SNPとindelの染色体上における分布は非常に類似しており、それら変異の頻度が低い保存領域が確認できた。また、銀坊主には日本晴と比較して100bp以上の欠失、逆位、転座、挿入が多数(1200個以上)認められ、数10kbや数100kbに及ぶ巨大な構造変異も認められた。欠失および挿入変異の多くは、Class II型もしくはClass I型転移因子によるものであった。銀坊主ゲノム中のClass I型因子の80%以上はLTRエレメントであり、残りはSINE、solo LTR、LINEが占め全Superfamily (CACTA、hAT、MULE、PIF/Harbinger、TC1/Mariner)の因子が比較的均等に含まれていた。すなわち、mPing以外に銀坊主特異的に増殖した転移因子はなく、銀坊主はmPing特異的に増殖を引き起こしやすい遺伝的背景をもっと考えられた。また、銀坊主における520~530コピーのmPingの挿入箇所周辺に挿入による構造変異は確認されず、mPingが増殖過程での構造変異頻度は極めて低いと考えられた。
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Research Products
(3 results)