Research Abstract |
小型自律飛行ロボット(UAV)を用いた情報収集では,災害時の運用や,地形の観測・変化をとらえる上で,地上の三次元地形図の計測が求められる.昨年度から継続して平成23年度は,小型UAVとGPSを用いた,高精度な位置推定手法と,地上の三次元地形図を作成手法の構築とその精度検証を行った.具体的には,GPSを用いた測位の高精度化のために,マルチパスと呼ばれる電波の識別による衛星測位の高精度化手法,また,タイトカップリングと呼ばれるセンサデータの複合手法の研究を行った.タイトカップリングによる複合では,観測量を1つ1つの衛星からの擬似距離,擬似距離変化率とすることで,衛星数が測位計算に必要な4個以下になっても,位置が推定できるという特徴がある.以上の手法を地上試験により評価した結果,マルチパス誤差を低減し,かつ利用性が向上することを確認した.さらに,小型UAVに搭載した単眼カメラから得られる空撮画像とGPS,慣性センサの複合による地上の三次元地形図を自動生成するSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)アルゴリズムの構築を行った.この作成した三次元地形図の精度評価として,実環境試験において作成した三次元地形図と,有人航空機におけるレーザ測量結果を比較することで,作成した三次元地形図の精度評価を行った.この結果高さ方向のRMS誤差が1.4mとなり,小型UAVを用いて高精度に地形図が作成できることを確認した.さらに,このようにして小型UAVで収集した上空からの情報を,GIS(Geographic Information System)に統合することで,情報の共有と容易な閲覧を可能とした.
|