2009 Fiscal Year Annual Research Report
非溶媒と接触した高分子界面におけるナノ溶解・膨潤層の形成機構解明と応用展開
Project/Area Number |
09J02961
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新 史紀 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポリメタクリル酸メチル / 中性子反射率測定 / 非溶媒 / 表面 / 界面 / 薄膜 / 構造 / ダイナミクス |
Research Abstract |
高分子固体の表面および界面はバルクと異なるエネルギー状態にある。そのため、表面および界面の構造および物性はバルクと比較して著しく異なっている。これまで、測定手法の困難さなどの理由から、液体すなわち非溶媒下における高分子固体の構造および物性についてはほとんど検討されていない。そのため、非溶媒下における高分子固体の構造およびダイナミクスは科学的に興味深い。本研究では、非溶媒下におけるポリメタクリル酸メチル薄膜の構造について検討した。 これまでに、アルコール下におけるPMMA薄膜の構造を中性子反射率(NR)測定に基づき評価した。その結果、アルコール分子が膜内部に浸透することでPMMA薄膜は膨潤した。この時、PMMA/アルコール界面は空気下におけるそれと比較して拡がり、またPMMA/基板界面にはアルコールの濃縮層が観測された。これらの傾向はアルコール分子アルキル基が短くなるにつれて顕著となった。膜内部におけるPMMAの密度からPMMA-アルコール間の相互作用パラメータを算出し、それを用いて界面の拡がりを明らかにした。また、基板界面におけるアルコール濃縮層の厚みはエントロピックな効果であるアルコール分子の体積が影響していることも明らかにした。 得られた結果は、液体下における高分子固体の構造およびダイナミクスへの理解に繋がるため、意義があるといえる。また、医療材料、マイクロ流体チップなど液体下で使用される高分子材料は多く、得られた知見は、これらの高分子材料の高機能化、また新規機能性材料の創製において重要な設計指針にもなり得るため、科学的にも工学的にも重要性が高いといえる。
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Research Products
(5 results)